Ⅰ.会計制度の概要
公益法人会計基準は、昭和52年3月に制定、昭和60年9月に改正が行われ「昭和60年基準」として資金収支計算を中心としてスタートしたことを始めとします。
その後、平成16年10月に「平成16年基準」として全面改正されたことにより、貸借対照表、正味財産増減計算書及び財産目録から構成される財務諸表を作成することとなり、公益法人制度改革関連三法が成立した後「平成20年基準」が内閣府公益認定等委員会等により整備されました。その後、令和6年に「公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の一部を改正する法律」が成立し、新しい「公益法人会計基準」及び「公益法人会計基準の運用指針」の制定されました(「令和6年基準」)。
Ⅱ.近年の動向
「令和6年基準」は、令和7年4月1日以降に開始する事業年度から適用されます。但し、令和10年3月31日までに開始する事業年度までは従前の会計基準の適用も可能です。
改正のポイントは以下のとおりです。
・新会計基準全体に関する基本的な考え方として、公益法人における「財務報告の目的」を明確化 (公益法人に期待される財務情報の開示の考え方を明確化)
・公益法人の特性を踏まえつつ、多様なステークホルダーにとってわかりやすい財務情報の 開示とするため、公益法人特有の会計処理を見直し(振替処理の廃止、基本財産・特定資 産の位置付けの整理等)。併せて、「正味財産増減計算書」から「活動計算書」へ見直し
・財務規律の柔軟化・明確化に伴う法人の説明責任として、財務諸表における情報開示を 充実(財務規律への適合状況について注記及び附属明細で一体的な情報開示)
・現行会計基準制定時(平成20年)からの公益法人の活動や社会変化への対応として、 金融商品に関する会計処理や固定資産に関する会計処理などの明確化、寄付によって 受け入れた資産に関する情報開示の追加
このように、平成25年11月の公益移行終了後においても、社団法人・財団法人を巡る会計制度はめまぐるしく変動しています。
:「令和6年基準」での貸借対照表・活動計算書・収支計算書・収支予算書の作成について、適切なサポートをいたします。
2.自計化支援業務
:FinTech機能の活用や仕訳辞書機能の活用等により、経理事務業務の効率化をサポートいたします。
:FX4クラウド、公益法人DB版を導入・運用支援を行っています。
4.税務申告業務
:法人税法上の収益事業の判断や、消費税法上の特例計算等についての検討をご支援し、税務申告書を作成いたします。
:公認会計士が、組織改革の支援、職務分掌・職務権限等の諸規程の見直し、各種業務(購買・固定資産管理・資金管理・人件費・収益・在庫管理等)の業務手順の見直しサポート、理事会・評議員会の運営サポートなどを行っています。
平成25年8月以後、内閣府公益認定等委員会に設置されている、公益法人の会計に関する研究会が公表する、公益法人の会計の諸課題についての検討結果は以下の通りです。
<当事務所は、TKC全国会 公益法人経営研究会の会員です>
TKC全国会 公益法人経営研究会(略称:TKC公益研)は、TKC全国会の中でも、特に公益法人会計に精通した北海道から沖縄までを網羅する1,000名超の会員により構成されています。私たちTKC公益研会員は、一般社団・財団法人の新規設立、移行認定申請のサポート、公益法人会計基準への対応、税務申告対応、改正消費税の対応等、会計・税務全般のご支援を行っています。併せて会計システム対応等のご支援を行っており、全国の拠点でセミナーを開催するとともに、専門書籍や「Q&Aシリーズ」などの支援ツールを開発・提供するなど積極的な支援活動を展開しています。